人生の先輩の言葉

田舎で起業するというのは、なかなか勇気のいることです。
ご近所さんはみんな顔見知り。
家に車が止まっているだけで「今日はお休み?」と
聞かれるような狭い町に窮屈さを覚えることもあります。

独りでパソコンで仕事をしている。
と言っても何をやっているのかも

具体的に理解してもらえるものでもない。
そう思って仕事の話しはあまりしたくありませんでした。

フリーランスという不安定な働き方に自信ももてず

将来が不安になりながら、今できることをやるだけだと

自分に言い聞かせてなんとかやってる。

冬は特にそんな気持ちになることがあります。

ちょうどそんな気分で小学校の授業参観に行った時のこと。
息子の同級生のおばあさんと帰りが一緒になりました。
前からの顔見知りで、近所のおばあちゃんたちとはちょっと違う
上品な雰囲気のあるおばあさんです。
何気ない会話をしていると「お家で自分でお仕事しているんですって」
と言われ、私はいつものように話しをにごしていると
「私も昔ひとりでやっていたのよ」と自分のお話をしてくれました。

おばあさんは、孫が産まれたのを機会にお仕事を引退したそうですが
ずっとひとりで仕事をしてきた想いがあると言い

「自分にしかできない仕事があって、それを誇りに思えるのっていいじゃない。頑張って」

と、励ましてくれたのです。

今まで周りの人からそんなことを言ってもらったことがなく、

じんわりと心に染みました。

「何回も辞めようかと思ったこともあったけど、
やっぱりこの仕事が好きで戻ってきたんです。ありがとうございます。頑張ります。」
突然私から出て来たのがこの言葉でした。
もう迷わないでこれからこの仕事が誇りになるように育てていこう。
そう思わせてくれた、人生の先輩の言葉でした。